新緑頃に見ることが出来る西野水道出口付近の造形美(ドローン空撮)

色々な縞模様が美しい西野水道出口付近

 私のお気に入りのドローンの撮影場所となっている西野水道。以前にも四季折々の表情を何回か投稿していますが、今回は、新緑の美しさがピークとなる時期を狙い、撮影した西野水道付近の空撮動画をお届けします。

 さて、新緑の時期に西野水道の排水トンネルを通り抜けると素晴らしき絶景が目に飛び込んできます。洪水時に上流から運ばれてきた土砂が、琵琶湖に合流する場所に造り上げたユニークな形の中州。そして、そこで育ったヤナギの林の新緑景色は素晴らしいです。言い換えれば、琵琶湖言う広大な砂漠に出来たオアシスにも見えます。

中洲で育ったヤナギの若葉

 さらには、山側に目をやると琵琶湖に面する山の木々が、針葉樹と広葉樹との緑色の濃淡による縞模様など見事な景観を造り出しています。

 また、この時期ならではの湖面の水色模様があります。代掻き(しろかき)による濁水が青い湖面に薄茶色の縞模様を造り出しています。濁水は自然環境にも悪く見た目には良くありません。

↑これは動画です。写真にタッチすれば見ることが出来ます。  動画を気に入って下さった方は、ユーチューブで「👍」やチャンネル登録をお願いします。

 しかし、代掻は田んぼに水を入れた状態で土を細かく砕き、丁寧に掻き混ぜて土を平らにする作業で稲作には必要不可欠な作業です。例年、4月中旬から下旬にかけて代かきが始まり、5月上旬のゴールデンウィークあたりに田植えがおこなわれています。

 この時期この場所の特有の風景は、水面の色が変色し湖面キャンパスに縞模様が出来るとともに、山の斜面に目をやれば、針葉樹と広葉樹との緑色の濃淡による縞模様など美しい縞模様の光景が見られます。

 ここで史跡「西野水道」について少しお話をします。西野水道は、長浜市高月町西野地先の山の麓に、琵琶湖へ向かって掘りぬかれている高さ約2m、幅約1.5m、長さ約250mの排水用の岩穴です。

 今から175年前、たびたび洪水に見舞われていた西野地区を、洪水から守るために掘られた排水トンネルです。付近を流れる川「余呉川」は、すぐそばに琵琶湖があるものの、山で遮られているため洪水時に西野地区でよく氾濫していました。その解消方法は、排水トンネルを掘り琵琶湖に流し出す方法が最良でしたが、岩でできた山を掘ることは至難の業でした。

西野水道の排水トンネル出口(琵琶湖側)

 しかし、地元の充満寺の住職「恵荘上人」の発起により、能登、伊勢から石工を招き、実に6年の歳月と多額の経費をかけて、ノミだけで掘り抜かれた岩穴をびわ湖まで貫通させたのです。

 出来た当時は、その小さな岩穴で洪水氾濫は少なくなったのですが、十分ではありませんでした。その後、昭和の時代に第二排水トンネルが掘られ、さらに大きくした第三トンネルが掘られて、洪水被害から解消されたのです。

美しき新緑の奥琵琶湖を囲む山並み

 当時の排水トンネル「西野水道」を歩いととおることは可能です。しかし、人ひとりが通れるぐらいの穴の大きさで、足元も水でゆるくなっています。この小さなトンネルは怖くて入れない方で、トンネルの反対側を見てみたい方は、隣の第二排水トンネル(直径5メートル・長さ500m)を通り琵琶湖側に出ることが出来ます。

 そこには素晴らしき絶景が待っていてくれています。今回は、新緑の時期にそのトンネルを通り抜けて、琵琶湖に合流する場所で見つけた自然の造形美を空撮しました。如何でしょうか。

Follow me!

コメントを残す