琵琶湖にもあった巨大な地上絵!「エリ魚」
今回の映像を見て頂ければお判りの様に、琵琶湖に地上絵みたいな大きな矢印が湖上に描かれています。ナスカの地上絵はだれもが知っていますが、何のために描かれたかは、謎に包まれています。しかし、琵琶湖の大きく描かれた矢印は明確な意味があります。
湖岸近くの浅瀬に突き出る柵で描かれた矢印で、その大きさは長さ100m以上もあり、地上絵のごとく存在感があります。そして造られた訳は、魚を捕るための巨大誘導柵としての罠なのです。これは、古来から琵琶湖に伝わる伝統漁法の「エリ」と呼ばれるもの。
「エリ」を形どる何本もの柵は、浅瀬に漁師が打ち込んだものです。泳いでいる魚は障害物にぶつかると、それに沿って移動するという習性があり、その習性をうまく利用した魚を捕る仕掛けなのです。
詳しく説明すると、泳いでいる魚は、エリ魚を構成する柵の障害物にあたると、柵に沿って泳ぎ、先端付近にある「つぼ」と呼ばれる仕掛け網に自然に誘導され入り込んで行きます。つぼは出口が狭く、入り込んできた魚は出ることが出来ません。
漁師は、そのツボに網を入れてすくい上げ魚を取るすばらしい漁法です。「エリ」は先人が魚の習性をうまく利用して作り上げた漁法で、その形状は、びわ湖の欠かせない風景の一部となっています。
今回は、その独特の形状がより分かりやすく見てもらうため、ドローンで空撮しました。鳥目線で見てみると、その存在感は圧巻です。滋賀県の琵琶湖の独特の風景を作り出しているエリ魚。その様子を動画にまとめました。空から見る先人の知恵の造形物は如何でしょうか。