戦の鎧の音が聞こえそうな霧に包まれた余呉湖は神秘的な湖!(ドローン空撮・4k)

今回は、「冬の余呉湖」の空撮映像を投稿します。余呉湖は神秘的な要素を持つ湖で、前回は鏡湖とよばれる湖の冬景色を投稿しましたが、今回は、霧に包まれた神秘的な余呉湖の風景を投稿します。
余呉湖は、滋賀県の北東部に位置し、古戦場として有名な賤ケ岳を一つ隔てた琵琶湖の北にあり、三方が山に囲まれた小さな湖です。
賤ケ岳古戦場の碑がある山頂からは、眼下に南は琵琶湖、北側に余呉湖を望む事が出来ます。この余呉湖は琵琶湖の水面より約50m高く、周囲約6.4km、面積約1.8平方キロ、水深約13mの小さな湖です。
さて、冬の余呉湖は、一年の中でもっとも幻想性が高まる季節です。盆地状の地形で霧が溜まりやすい湖で、特に冬に発生する霧は最も濃く、かつ低く出る傾向にあります。
それは、冬は夜の冷え込みが強く、湖水はすぐには冷えきらないため、この水温と気温の差により、湖面から立ち上がる霧が発生します。この霧が水面近くを流れるため、まるで湖が「雲の上に浮かんでいる」ようにも見えます。

琵琶湖と比べて余呉湖はとても静かです。波がほとんど立たない、水面がなめらか、そのため霧が漂う・湧く・薄く・切れるといった動きがはっきり見られ、まるで生き物のように感じられます。
また、冬は、岸や山が雪で白くなり、霧が光を拡散し、結果として白・灰・淡い青だけの世界になり、遠近感も色彩もほぼ失われます。これは他の季節では見られない、完全な非日常風景となり幻想的な余呉湖となるのです。

そして、冬の余呉湖は無音に近い静けさを感じます。人も少なく、雪が音を吸い、霧が音を散らすため、足音さえ遠くに感じるほど静かです。この「音のない空間」が、時間が止まったような感覚も生むのです。
更には、冬の霧は、湖の境界が完全に消えるような現象が見られます。対岸の山の稜線、空との境目がすべて消え、「湖という形」そのものが分からなくなります。たいていの人は形を失った風景に対して、本能的に畏れと美しさを同時に感じます。

特に歴史に興味ある人は、賤ケ岳合戦の舞台ともなった余呉湖を知っているため、この景色に遭遇すると「兵どもの夢のあと」重なります。
武将たちが行き交った土地、生と死が交錯した歴史の場に霧がかかることで、「ここで何かが起こった」という土地の記憶を強く感じ、霧の中に人影を想像し、鎧の音が聞こえそうに感じるといった歴史の気配が強まる感覚を呼び起こします。
霧に包まれた余呉湖が特に幻想的に見える理由は、今まで書いた自然条件と歴史的背景が重なっているためだと思います。

今回撮影したタイミングは、厳寒の冬場の中でも降雪直後の早朝です。太陽が低く、光が霧で拡散される。結果として、白・灰・淡い青だけの世界になり、映像でもお解りのように水墨画のような風景になりました。
撮影時は、静か、閉ざされている、境界が消える、歴史を感じるなどの思いを馳せ、その結果、余呉湖は「美しい」よりも「神秘的・物語的」に感じられる瞬間でした。


