「耕して天に至る」と形容される宇和島の段々畑は、まるで天に上る階段のよう!(ドローン空撮・4k動画)

今回投稿するのは、以前ネットで写真を見て以来、何年も前から訪れたかった場所です。その場所は、海からすぐせりあがった山の斜面一面が石垣で作られた畑で、「耕して天に至る」と形容される奇跡の景観として有名な宇和島の段々畑です。

今年の春にドローン県外遠征で行った足摺岬の帰りに立ち寄ることが出来ました。そして、ここの絶景をドローンで空撮することが出来ましたので、今回投稿します。

ここの絶景を見るには、宇和島中心部から車で40分以上かかりますが、必見の価値あります。小規模の段々畑を所々にみながら、気持ちの良い半島を車でかなり走り,カーブを曲がるといきなり目の前にでーんと迫力の段畑があらわれ驚きます。

それは、宇和海に飛び出すように突き出た岬の斜面、紺碧に輝く海際から尾根筋にいたる一面に城壁を思わすような石垣が目に飛び込んできます。

「わっ!これだ!すごい!巨大城塞のよう!」という感じの第一印象。等高線のような段畑と青い海、奇跡の景観は、想像していたもの以上でした。

等高線のように並ぶ幾筋もの石垣は、芸術作品のような美しさがあります。そして、人々の生活と歴史を1つの風景に凝縮した空間に感動でした。

幅1m、高さ1.5m前後の畑が、斜面に沿うように開墾され、麓におりれば、数十世帯の家々が軒をひしめき合うように立ち並び、山と海とに生活の糧を求めて懸命に生きる人々の生活の匂いを感じ取ることが出来ます。

現代人が忘れかけている日本の元風景、半農半漁の営みが、この水荷浦には親から子へ、子から孫へと連綿と受け継がれているのです。

「耕して天に至る」と形容される段々畑は、急な山の斜面に石垣を積み上げて造られた階段状の畑地です。その雄大な景色は、国の重要文化的景観や美しい日本のむら景観百選に選定されているほどで、下から見上げると、まるで天に上る階段のようにも見えます。

沿岸部には稲作に適した土地は少なく、浦々の人々は山の斜面を畑として開墾し、雑穀類を栽培し自分たちの食料を得ていたと想像できます。

漁師が移住してきて人口が増えると、問題になってくるのが食料の確保。農業に適した土地がないこの地の人々は、急斜面の山を半ば無理やり切り拓き、畑を作らざるを得なかったのです。

インターネットの投稿写真から拝借

段畑は生産性が低く、また重い作物を担いで急斜面を上り下りしなければならず、普通の畑とは比較にならない程の重労働。生きる為とはいえ、その苦労は想像を絶するものであったと思われます。

古くから半農半漁の暮らしが営まれてきていて、当時の面影が今もなお伝えられています。

平成12年に地元有志のメンバーが中心となって、「段畑を守ろう会」を結成し、行政とも連携をとりながら、段畑の復旧やオーナー制度、ふるさとだんだん祭りの開催、そして、ジャガイモ焼酎の開発、交流施設(だんだん茶屋)の経営などをおこなっておられます。

インターネットの投稿写真から拝借

リアス式海岸特有の急峻な地形で、天と地と海のはざまに生きる人間が造りだした素晴らしき造形美は、芸術作品のような美しさがあり、2019年に重要文化的景観に選定されたそうです。

私が行った時期は春先で、段々畑には10月作付けで4月収穫のジャガイモが植えられており、ジャガイモの収穫まじかの風景を見ることが出来ました。

よくこんな急斜面に畑を作ったなと感心する反面、畑仕事はもちろん大変だけど、生きていくには仕方がない畑作業で、此の景色を見て人の営みのすごさに圧倒された一日でした。

私のふるさとは獣害のため農地が耕作できず、放棄地がどんどん増えています。しかし、この地域の何より凄いのは、耕作放棄がされておらず、現役の畑であること。その生活力の凄さに感服しました。

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