伐採の危機を乗り越えて咲く桜並木「素晴らしき桜トンネル・高時川」(ドローン空撮・4k)
今回紹介するのは高時川堤防に植えられた桜並木です。ここの桜は30年ほど前に植えられた桜並木で、今が盛りの木々がどこまでも続き、隙間のないくらい満開の花弁で埋め尽くされる絶景が拝めます。
ここの一押しのポイントは、見事な桜のトンネルです。動画で見ていただければお分かりのように、堤防道の両側に植えられた桜並木は延々と続き、木の枝が天井を覆いつくし花のトンネルを造り上げています。
今回の撮影ポイントは、素晴らしき桜トンネルをターゲットに動画撮影を行いました。
滋賀県長浜市内を流れる大きな河川である姉川と高時川。昔話で姉川に対し高時川は妹川とも呼ばれて福井県の県境から流れ下りびわ湖に注いでいます。
その中間に位置する高月町の住民の有志が、何もない堤防を桜並木にしたい。そんな声が町役場に届いたのは今から30年ほど前。その後、地元の人たちが協力し苗木を植えたのが始まりです。
15年ほどが経ち、桜並木は元気に育ち、春になると素晴らしい景観を見せてくれるようになった矢先、一度洪水対策で伐採されそうになったことがありました。
ここの高時川堤防は洪水時に漏水があるため、堤防決壊の防止のため堤防補強工事の計画が滋賀県で立てられました。
その計画では、桜を伐採し堤防を補強する内容であったため、地域の桜を守る会からの強い反発を受け計画が見直されました。
単に比較すれば桜の景観より生命財産の方が大事なことは明白ですが、当時の県職員の判断は素晴らしきものがありました。地元の熱意が通じて、出来上がっていた計画を見直したのです。
その結果は、桜を残しながら堤防を補強する設計に見直され、現在の桜並木が残ったという経過があります。
堤防に木を植えることは堤防自体に悪影響を及ぼす恐れがあることから、植えられた桜を管理者である滋賀県が勝手に伐採することは法的に問題がありません。
しかし、その考えを押し通さず景観を重視することにより設計変更された県当局の判断は素晴らしいことだと思っています。
お陰様で高時川の桜並木は、今は長く厳しい冬を乗り越えて、やっと来た春の時期、住民たちの心の安らぎの場ともなっています。