奥琵琶湖の水運交通の要所であった「大浦」を飛ぶ
日本一大きな琵琶湖は、琵琶湖大橋を境に南湖と北湖に分かれています。さらに、北湖の面積は大きいため、滋賀県民は北湖の北側(日本海方向)に面する地域を奥琵琶湖と呼び分けています。
琵琶湖は昔から北陸と京都・大阪を繋ぐ重要な交通路としての水運で栄えきたなかで、奥琵琶湖には大浦・菅浦・塩津の3つの港を有し、陸上輸送と湖上輸送の中継点でした。この三つの港は旧西浅井町(現長浜市)のエリア内にありました。
奥琵琶湖は山に近接する場所が多いため、多様な景観に富んでいます。田舎の景色が多く残る空間が多く、日常生活の雑音が聞こえず、まるで時が止まったような風光明媚な風景を見ることが出来ます。そんな奥琵琶湖の中で、今回の空撮場所は、その大浦地先です。
大浦の湖岸は、湖の底が見えるくらい水質も良く、自然そのままの護岸も残しつつ、地元産の大きな石を並べた人工的な護岸は、違和感のない自然にマッチした護岸が整備されています。そこに座り美しき琵琶湖を眺めながら聞こえるのは、さざ波の音、風の音しか聞こえず、心が安らぐ場所でもあります。その大浦湖岸からドローンを飛ばし、大浦集落風景と大浦漁港、そして、奥琵琶湖の風景を鳥目線で撮影しました。
話は変わりますが、先ほど書いたように大浦をはじめとする港は、昔は水運で栄えました。この水運の主役を務めたの船が丸子船で、最盛期の江戸時代には約1400隻が湖上を往来していたのだそうです。大浦集落内には「丸子船の館」があり、2つ割りにした丸太を胴の両側に付けた琵琶湖独特の船として、現存する丸子船2隻のうちの1隻「神與丸」を展示しているとのこと。また、湖岸沿いにも丸子船のモニュメントが整備された公園もあり、歴史を感じる風光明媚な地域です。
今までこの地域は、桜や新緑の時期など数回にわたり空撮しています。しかし、今回は夏本番8月の風景をドローンで空撮しました。夏空の下、青い湖の色と濃い緑色の山々とのコラボは絶景と言って過言ではないと思います。如何でしょうか。